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3.5mのカウンター

昨年末に、4.5mのカウンターというのを書いたばかりですが。
今度は、3.5mのカウンターです。
カウンターが好きだから・・・。
というわけでもなく、当然ですが建築主のライフスタイルを考えての提案であるわけです。

ナラ集成材のカウンター

長さ3.5m、奥行き80cm、厚さ10cmです。
吹抜けに向かって少しはみ出すようにしてつくっています。
先端は、物が落ちないように少し工夫して。

吹抜けに面するカウンター

要望は仕事ができるスペースが欲しいと言うことだったのですが、それだけならこんなに大きなものは必要ないわけです。
人は、暮らしの中で一つのことをするわけではないし、家族もいるわけです。
ですから、いろいろなアイディアを見つけて、使い方を工夫して欲しいと思って提案しました。

それをつくっていくのが暮らしなのだと思っています。


建築要素

建築空間というのは、いろいろな部材でできているわけですが、ものすごく単純化すると、床、壁、天井(屋根)で構成されているわけですね。要素という言い方はちょっとわかりにくい言い方なので、単純に部材と考えて下さい。(この場合の要素というのは、空間を構成するものと考えています。)
部材の1つに、建具があります。(建具というのは、簡単に言えば扉です。)
建具は、枠と戸(開き戸や引き戸など)で構成されていますが、この部分の「つくりかた」で空間の印象(雰囲気)は大きく変わります。
例えば下の写真。
左に建具がありますが、枠がはっきりと見える様につくっています。ごく普通のつくりかたです。
これは、梁や柱を見せるように空間をつくっているので、建具の枠も見える様にしています。

鹿屋の家 玄関ホール

しかし、今施工中の多摩平の家は、少し異なるつくりかたをしています。
引き込み戸になっているのですが、枠の考え方は鹿屋の家と同じようにつくるのが普通の考え方です。
多摩平の家の場合は、木部が現しになっている部分がなく、壁や天井は吹き付け材で仕上げます。
ですから、壁や天井の部分はできるだけ部材を目立たないようにしようと考えています。
枠と壁のチリは2mmです。つまり仕上げ材を施工すると、ほとんど面一になります。
建具の枠を、「消す」ということを考えて設計しました。

多摩平の家 建具枠(縦枠)

多摩平の家 建具枠(上枠)

建具の枠を「見せる」のと「見せない」とで、どう違うのか。空間の印象(雰囲気)がどう変わって見えるのか楽しみです。(イメージできますけどw)
下地の状態なのでイメージし難いですが、完成した時にまた写真をアップして比較したいと思います。


4.5mのカウンター

多摩平の家は、木工事も終わりに近づいてきました。
今日は、大物の施工です。
ファミリールームにはカウンターがあります。長さは4.5m、奥行き60cmです。
重量約150kg (^_^;

カウンター4.5m

厚さは5cmでナラの集成材です。

ナラ集成材 厚さ5cm

最終的には、オイル仕上げにします。ケーブルを通すための孔をあけています。

設置完了

スチールブラケット4本と壁内にのみ込ませて固定しています。
足元は、床を落としてあるので、基本的にはテーブルとして使うことを想定しています。
それだけでは無くて、床面からカウンター面の高さは28cmなので、ファミリーコンサートではベンチとしても使えますね。
固定観念に縛られずに、自由な使い方をして欲しいと思っています。


どうしたら心地よい空間になるか

設計する時、常に「どうしたら心地よい空間になるか」を考えています。
建築主の要望は、当然全て聞きます。そこにライフスタイルが見え隠れしているからです。
でも、言われたとおりに設計するわけではありません。
建築主の想いを織り込んだ上で、さらにそれを超えて、豊かで魅力的な空間を提案するのが設計者だと思っていますから。
例えば、全ての部屋が良い環境に向けばよいですが、そうもいきません。
北側に向いてしまう部屋もあります。落ち着いた部屋になるので北側が悪いわけではありませんが、子供室なのでもう少し明るくて心地よい部屋にしたいと考えました。

多摩平の家 北側の子供室

正面が南になります。建物の一部をくり抜くようにしてテラスにしています。
そのテラスに面して子供室をつくりました。勾配屋根を利用した傾斜天井になっていて、南側を高くしています。
これなら、陽も入るし南北に風が抜けていき、心地よい空間になりますね。
それに、空も見上げることができるし、テラスはバルコニーに繋がっていて、建物の周囲が外廊下のような軒下の半外部空間になっています。
ちょっと楽しそうな空間になると思いませんか?


さび

鉄の塀

ソウル市内北村の路地に鉄の塀をみつけました。
防錆されておらず、全体を錆びが覆っています。
錆びの感じは、コールテン鋼ではなさそうですね。

鉄塀のディテール

フレームをアングルで組んでいるようです。上部は形鋼の庇になっていて、門扉の庇にもなっています。
建物の外壁は木材ですが、屋根のフレームもやはり形鋼のようです。
素材の使い方がうまいですね。
年月と共に、質感が出てくるという考え方もあると思われるし、質素で日本的な情緒がある建物です。
下段は石の小端積みです。これもまた良い感じです。


ソウル(2日目)

北村(プッチョン)に伝統韓屋があるのですが、観光地化しているので人が多くて写真撮ってません。(^_^;
ほとんどが石塀で囲まれているので、内部も見ることができません。しかし、道路や建物のスケール感が絶妙で、街並みがとてもきれいです。(人がいなければ。。。)
実際に住んで生活している人がいるので、静かに街歩きしてきました。移動のほとんどは徒歩かバスです。その方がその土地の普段の暮らしぶりなどが垣間見えて楽しいです。
伝統的な家屋がある一方で、当然ですが現代的な建築もあります。

ギャラリー

建物名忘れました。(^_^;
外壁は鉄板をランダムに折り曲げて出来ています。

外壁のディテール

ちょっとピンが甘いですが、ランダムに折り曲げることで陰影に変化をつけています。

壁面

反対側から見ると、その表情は違って見えますね。
ちょっとしたアイディアですが、こういうの好きです。

3日目、4日目は、ただ食べ歩きしただけでなにも無しです。ww
今年年頭にもきましたが、年に一度くらいは家族旅行したいですね。


細部への思い

片持ち階段(N-HOUSE)

片持ち階段(N-HOUSE)

大学を卒業し、社会に出て実際に設計に携わるようになって間もない頃の思い出です。
当時、私は渡辺明さんの事務所で日夜図面と現場に明け暮れる日々を送っていました。
打ち放しの小さな住宅を設計していて、卒業したばかりですから、とにかく無我夢中で取り組んでいたのを思い出します。
知っての通り、打ち放しの建築というのは、後処理というのはできません。
設備にしろ、建具にしろ、すべてが型枠を建てる以前、コンクリートを打設する以前に決めておかなければなりません。
思い出すのは、照明のダウンライトとコンセント。
位置を決めさえすれば、あとは現場で確認するだけ。
しかし、事はそう簡単ではないのです。
ダウンライトのフェースプレートの厚みは約5mm、コンセントのプレートの厚みは約7mmあります。
通常そのままつければ、壁面や天井面からこの厚み分出てしまうことになります。それでは、打ち放しのコンクリート壁に出っ張ってしまう。

それが嫌なので、どうするかと言うと、全てのコンセント、スイッチ、照明のフェイスプレートの厚み分コンクリートの面を凹ませる必要があります。
実際大変なことは、現場をイメージしてみるとわかるでしょう。ごまかしのきかない厳しい現場になります。
コンクリートの面に異質の物を決して出さないという、細部への思いがあるわけです。
一般の人から見れば、気にもとめられないことに思えますが、ここに造り込みにかける強い思いが存在します。
そうしてできた空間は、見事なまでの空気の質をつくりだすのです。

確か、出江寛さんだったと記憶していますが、和室のコンセントを取り付けるのに、プレートすら取り払ってしまって、コンセント部分だけをのこして、すべて土壁で塗り込んでしまったのを見たことがあります。
和室の土壁に、コンセントプレートは許せない。
情緒も風情もたった一つのコンセントで台無しになってしまう。
そういう徹底した思いがあったに違いないのです。
こんな思いを持つのは、建築家くらいだろうと思っていたのですが、30年ぶりに谷崎潤一郎の「陰翳礼賛」を再び読んで見たら、そういう感性は、建築家だけではないと。
むしろ、今つくられている建築、とくに住宅に忘れられてしまった思いではないかと感じるのです。

私の師匠
故 渡辺明先生の七回忌を迎えて


無垢の姿

杉板の書棚

杉板の書棚

素材が本来持っている姿というのは、同じものは二つとなくて、人が手を加えてデザインできる物ではないだろう。そこには、たった一つの嘘もないのだから。
素材のありのままの姿を活かしきることが、それに応えることだと思っている。


豊かに暮らすために

住宅の設計をしていると、必ずと言っていいほど話題になるのが、収納の話。
建築主にとっては、さまざまな条件のなかで、ストレスになるくらい悩みが多い問題ではないでしょうか。
なにしろ、収納をテーマにした本が、数限りないほどでているわけだから、深刻な問題なのだとも感じます。
以前設計した二つの住宅を改めて見てみると、収納の取り方の違いがはっきりしています。
いずれも、年代は違いますが、3人家族の住宅です。

こちらは延べ面積が40坪ほどの、2階建ての住宅です。

I-HOUSE

I-HOUSE

マンション風に言えば、3LDK+書斎。
その収納は、押し入れにして、6カ所分。
その他に書斎の本棚など、小さな部分もあるので、相当なスペースを占めています。

こちらは、延べ面積が30坪ほどの、平屋建ての住宅です。

つつじが丘の住宅

つつじが丘の住宅

収納(ユーティリティ)として、1カ所にまとめて3畳ほどのスペースをとっています。
日常で使うものは、それぞれの部屋に置いて、そうでない物は全てユーティリティにあるので
使う時にここに行けば必ず物は見つかるし、どこに入れたか忘れることもありません。
個室にはクローゼットも一切収納はなく、気に入った家具を置くという考え方で、部屋に必要以上の物がないため、すっきりと暮らせます。

生活していく上では、収納は当然必要です。
しかし、せっかくお金をかけて住まいをつくっても、必要以上に収納を取って、その他の部屋の居心地が悪くなってしまっては、本末転倒です。

「本当に必要なモノ」は、そんなにあるのでしょうか?
これは、真剣に考える必要があると思います。
せっかくの暮らしが、モノに支配されてしまっては、楽しくありません。

私も含めて、人はモノを持つということに、喜びや幸せを感じます。決して悪いことでもないし、むしろ普通のことですね。
しかし問題は、本当に自分に必要で、愛着が持てるかどうかということではないでしょうか。
愛着が持てれば、それは本当に幸せであるし、大切にしまっておけます。

そうでない物は、いつしか収納の奥に眠って、二度と使われることはなくなってしまう。
いつか「使うかも知れない」、「もったいないから」、「とりあえず」取っておこう。
これは、一見すると物を大切にしているように思えるけれど、ほとんど使わず仕舞いで、その存在すら忘れられています。
こういうものは、きっぱり捨ててしまうか、必要な人にあげるか、売ってしまうに限ります。
物は使われてこそ生きるのですから。

そうすればきっと、ストレスのない快適な暮らしになると思うのですが・・・・。物心ともに豊かに暮らすために。

一読お奨めします。
「捨てる」「片づける」で人生は楽になる PHP文庫
著者は斎藤茂吉の長男、精神科医の齊藤茂太先生です。

 


ライフスタイル|キッチンのデザインをとおして見えるオーナーの価値観|

価値観やライフスタイルが多様化するなかで、住み手にとって何が必要なのか?本当に必要としているものは何か?
住み手と、設計の打ち合わせを何度も重ねる中で、見えてくるものがあります。
徹底して必要な機能だけを組み込んだキッチンです。
アイランド型にしていますが、手元は隠すようにカウンターは見えなくしています。
キッチンカウンターは、人工大理石、キャビネットはウレタン塗装です。
ガスコンロは2口で十分。グリルも不要。その分収納を大きく取っています。
大型シンクと、下部に食洗機。
カウンター背面の収納スペースには、左右に冷蔵庫と、棚板を設けています。
扉は無い方が使いやすい。しかし正面に見えては見苦しいことからこのようにしています。
天井は3.2mの高さがあるため、レンジフードのようなものは使えませんし、何より見苦しい。換気扇はキャビネットに取り付けて、床下から排気しています。
「必要にして十分」オーナーの言葉です。
それこそが、価値観であり、ライフスタイル(何がしたいか)と言うことです。オーナーは、フランス留学の経験から得た住まいに対する想いが明確でした。
「機能的で生活感があり、身の丈を知り余計なものをそぎ落とした潔さを感じる。室内には、使うものか美しいものしか置きたくない。」
家具は、今まで使っていたアンティーク家具をそのまま使っています。
だからこそ、住まいの空間は徹底してシンプルにつくっています。
床もすべて450角の磁器質タイル
壁面はガラスか白壁
天井も白
必要なもの以外そぎ落としたライフスタイル。いままでの家具も、しっくりなじみます。

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ダイニングとキッチン
リビング、ダイニング、キッチンはワンルーム。
3.2mの高い天井。
背面の四角い箱は収納スペース。
アンティークテーブルが映えるモノトーン空間。

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キッチンカウンター
必要にして十分
オーナーのライフスタイルを表しています。

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ダイニングキッチンの図面
1枚目の写真と同じ方向の図面です。
中央がキッチンキャビネット。その上が収納スペースです。

 


ディテールを考える

構造材とカーテンウォールの枠材を兼ねたディテールです。
鉄骨造で、鉄材をそのまま現すというのは、実はとても難しい。接合部がそのまま見えてしまうので工夫が必要になります。
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これは、柱材と無目材の接合部。角パイプをFBで挟み込んでいます。柱材に角パイプを水平に溶接して無目材のFBの間に差し込んでボルト接合しています。
単に構造材だけではなく、ガラスを受ける枠材としていて、カーテンウォールの部材としても機能しています。FBに挟まれた角パイプは、電気ケーブルの配線スペースにもなっていて、コンセントやスイッチもこの部分に設置しています。

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幅2m程の廊下状の中庭は、すべてガラスカーテンウォールになっていて、室内と繋がる空間になっています。


キッチンのデザイン

キッチン、ダイニング、リビングをワンルームで設計する時に注意しているのが、機器的なキッチンにならないようにデザインしています。
キャビネットの材質や色はもちろんですが、冷蔵庫に至るまですべてカラーコーディネイトしないと、機器に囲まれたリビングになってしまいます。

この住宅は、シンク、食洗機をアイランド型のキャビネットに収めて、調理器は壁面に配置しています。冷蔵庫や電子レンジもビルトインです。

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アイランド型の場合は、キャビネットそのものを、家具のように見せる工夫が必要です。
足元の蹴込み部分(台輪)を深くすることで、床から少し浮いたように見せています。
カウンタートップはコーリアン、キャビネットはウレタン塗装です。

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キッチンカウンターとダイニングテーブル
ダイニングテーブルも、この住宅のためにデザインしたものです。ウレタン塗装鏡面仕上げ。



質感を大切にするということ

田園の家玄関ホール

田園の家 玄関ホール

自然素材などど言われて久しいが、そもそも日本の住宅は素材ありのままにつくられてきはずだ。
いつしか、新建材などと銘打った材料?がでてきて、偽物で埋め尽くされた。
決して材料開発や技術の進歩を否定するものではないが、人というのは、視覚だけで空間をとらえているわけではない。
触覚(手触り)、嗅覚(香り)を感じて、その空間の空気感をとらえている。
杉の木理、香り、手触り、塗り壁の手の痕跡。
人が住むのだから、素材を素直に使い、その質感に包み込まれるような空間をつくりたいと考えている。


ミニマルバスルーム

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洗面キャビネット

木造住宅の2階にあった洗面と浴室の改修です。
改修前の写真がないので、比較できないですが、洗面は床が長尺シート、壁がビニールクロス張り。浴室は床壁50角タイル。
普通の洗面と浴室でした。2階なので、一般的にはユニットバスを使うことが多いと思いますが、ここは在来工法でしたので、その点はちょっと違っていたかも知れません。
ストイックなまでにそぎ落としたデザインと、ホワイトだけの空間です。
生活感を感じさせず、機能的に。オーナーの要望でもありました。

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Y-HOUSE(内と外の関係)

約250坪の敷地に建つ,RC造平屋建ての住宅.外壁は打ち放しです.
住居は敷地奥に配置して庭を広く取り、アプローチを路地状にしてガレージと住居をつないでいます.リビングと連続したテラスをつくって庭へとつなげています.

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リビング

リビングキッチン。
キッチンカウンターはオーダーメイドで長さは3.5mあります。カウンタートップはステンレス(バイブレーション)。調理器は、すべてビルトインとしてすっきりした印象を大切にして設計しています。

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M-House

5室のワンルームとオーナー住居のRC造集合住宅.
敷地条件を最大限に活かした収益性の高い賃貸住宅.コンクリート打ち放しの外壁と木製ルーバーが外観の特徴となっています.

M-House

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