19年の月日

毎年8月から2ヶ月間は多忙を極めてしまうので、更新もままならず。
加えて、8月22日に19年間共に過ごしてきた愛犬が逝ってしまいました。人間で言えば100歳近い歳でしたので、いつかはと覚悟はしていましたが、思っていた以上に悲しかったですね。
今でも、尻尾を振ってひょっこり顔を出しそうな気がします。

在りし日

在りし日


細部への思い

片持ち階段(N-HOUSE)

片持ち階段(N-HOUSE)

大学を卒業し、社会に出て実際に設計に携わるようになって間もない頃の思い出です。
当時、私は渡辺明さんの事務所で日夜図面と現場に明け暮れる日々を送っていました。
打ち放しの小さな住宅を設計していて、卒業したばかりですから、とにかく無我夢中で取り組んでいたのを思い出します。
知っての通り、打ち放しの建築というのは、後処理というのはできません。
設備にしろ、建具にしろ、すべてが型枠を建てる以前、コンクリートを打設する以前に決めておかなければなりません。
思い出すのは、照明のダウンライトとコンセント。
位置を決めさえすれば、あとは現場で確認するだけ。
しかし、事はそう簡単ではないのです。
ダウンライトのフェースプレートの厚みは約5mm、コンセントのプレートの厚みは約7mmあります。
通常そのままつければ、壁面や天井面からこの厚み分出てしまうことになります。それでは、打ち放しのコンクリート壁に出っ張ってしまう。

それが嫌なので、どうするかと言うと、全てのコンセント、スイッチ、照明のフェイスプレートの厚み分コンクリートの面を凹ませる必要があります。
実際大変なことは、現場をイメージしてみるとわかるでしょう。ごまかしのきかない厳しい現場になります。
コンクリートの面に異質の物を決して出さないという、細部への思いがあるわけです。
一般の人から見れば、気にもとめられないことに思えますが、ここに造り込みにかける強い思いが存在します。
そうしてできた空間は、見事なまでの空気の質をつくりだすのです。

確か、出江寛さんだったと記憶していますが、和室のコンセントを取り付けるのに、プレートすら取り払ってしまって、コンセント部分だけをのこして、すべて土壁で塗り込んでしまったのを見たことがあります。
和室の土壁に、コンセントプレートは許せない。
情緒も風情もたった一つのコンセントで台無しになってしまう。
そういう徹底した思いがあったに違いないのです。
こんな思いを持つのは、建築家くらいだろうと思っていたのですが、30年ぶりに谷崎潤一郎の「陰翳礼賛」を再び読んで見たら、そういう感性は、建築家だけではないと。
むしろ、今つくられている建築、とくに住宅に忘れられてしまった思いではないかと感じるのです。

私の師匠
故 渡辺明先生の七回忌を迎えて


光のコントロール

建築空間を考える時、光は一番重要な要素であると考えています。
闇雲に明るさだけを追い求めても、空間の質は一様になるだけで、その空気感はつまらないものになるだけです。
光というのは、絞るものだと考えています。

木漏れ日

木漏れ日

乗泉寺本堂

乗泉寺本堂


macOS Sierra

新OSが発表されました。
毎年アップデートしなくてもいいのに。(と思うのは私だけ?)
その度に、ソフトが動かなくなるのがなんとも・・・。
それ以前に、ついにMacPro(2009)は切られてしまいました。core2DuoのMacbookAir(2010)がアップデートできて、XeonのMacProができないのは、どういうことかと。
ちょっと納得できない。
正式リリースされたら、(きっと)裏技?インストール情報など淡い期待をいだいてます。

macOS Sierra

macOS Sierra

AppleのWebサイトSierraのページが、かっこいいです。マウスでズームアウト。


MacとWindowsのフォント表示の違いについて

HPのデザインを、OSやブラウザの違いに関係なく表示できるようにWebフォントにしてみました。(AppleのWebサイトのように)
しかし、MacとWindowsのブラウザによってHPのフォントの見え方が変わってしまいます。いろいろ対策してみましたが、これと言って有効な手立ては見つかっていません。
4つのメジャーブラウザで検証してみました。
MacではSafari、Firefox、Chrome、Opera
WindowsではIE11、Firefox、Chrome、Opera
レイアウトについては、すべての環境で問題なく表示されますが、Windows7のフォント表示は微妙に違ってしまいます。

Mac(OS10.11.5)での表示

Macでの表示

Mac(OS10.11.5)の場合

4つのブラウザで、ほとんどフォントは同じように表示されます。

Windows7での表示

Windows7の場合

Windows7での表示

画像が小さいのでわかりにくいですが、IE11とFirefoxはジャギーがひどくきれいに表示されません。ChromeとOperaは、アンチエイリアスが効いた表示はされますが、ウエイト(フォントの太さ)がMacに比べて細く、一部かすれて見えにくくなってしまいます。ブラウザの表示フォントをメイリオなどに変えてみても、そんなに差はありません。
調べてみると、Windows7はフォントがきれいに表示されないというトラブル?が多く検索されます。いろいろ試してみましたが、すべてのブラウザでMacと同じようにきれいには表示されませんでした。その中でも一番効果があったのは、MacTypeでした。IE11では変化無しでしたが、Firefoxは劇的に改善しました。

一方Windows10では、すべてのブラウザでアンチエイリアスの効いた表示がされますが、ChromeとOperaはウエイトが細いです。

Windows10の表示

Windows10の表示

写真などは良いのですが、これだけフォント表示にばらつきがあると、簡単には解消できそうにないですね。難しいものです。


無垢の姿

杉板の書棚

杉板の書棚

素材が本来持っている姿というのは、同じものは二つとなくて、人が手を加えてデザインできる物ではないだろう。そこには、たった一つの嘘もないのだから。
素材のありのままの姿を活かしきることが、それに応えることだと思っている。


Webデザインを考える

先日もWebサイトについて書きましたが、今回はデザインについて考えていることを書きます。
デザインと言っても、単に見た目だけのことではなくて、ディバイスの違いへの対応や、アクセシビリティもデザインの範疇に入ります。
異なるディバイスの対応は、レスポンシブデザインと言われていますね。私のHPはレスポンシブデザインにはなっていません。(というか・・・勉強不足でまだできません。)
とりあえずの対応策として、iPadでも見やすくなるように考えてつくりました。iPadは解像度が1024×768なので、HPの横幅を1000pxで設定してつくっています。
下の画像は、SafariのレスポンシブデザインモードでこのBlogの表示を比較した画像です。

レスポンシブデザインモード
Safariの環境設定で詳細タブを表示して、一番下のチェックボックス「メニューバーに”開発”メニューを表示」にチェックをいれると、Safariのメニューバーに”開発”が追加されます。そのメニューから、”レスポンシブ・デザイン・モード”にするを選びます。

上からiPhone6 Plus、iPad Air2、PCでの表示

iphoneview

iPhone6Plus

 

ipadview

iPadAir2

 

desktopview

DesktopPC

それぞれの解像度に対応して、メニューの位置や表示が変わっています。このBlogはWordPressでつくっているので、レスポンシブデザインに対応したテーマを使えば、簡単につくることができます。
将来的には、HPも対応できるようにしたいと考えています。(ただし時期未定ですw)
GWに時間をとって、HPに少し手を入れてみました。(あまり変わっていませんが)
地味ですが、少しでも早く表示できるように、コードをいじったことと、XHTMLの文法にできるだけ適合させました。
Webデザインで、もうひとつ大切なアクセシビリティですが。
これは、かなり敷居が高いですね。Another HTML-lint アクセシビリティ評価検証ができるので、試しにやってみたら、エラーだらけです(笑)

アクセシビリティチェック

アクセシビリティチェック

建築にもバリアフリーへの対応やユニバーサルデザインなどがありますが、Webデザインも同様に考える必要がありますね。

下記はAnother HTML-lint 5サイトのアクセシビリティについて引用です。

アクセシビリティチェックについて
アクセシビリティチェックは、総務省の miChecker ver1.2 を検査エンジンとして開発した検査ツールです。将来にわたって無料でご利用いただけます。
最新のウェブアクセシビリティガイドライン「日本工業規格 JIS X 8341-3:2010」、「W3Cスタンダード WCAG 2.0」「アメリカ リハビリテーション法 第508条」を基に、ウェブページのアクセシビリティ検証を行うことができます。詳細レポートでは問題がある箇所が「問題あり」「問題の可能性大」「要判断箇所」「手動確認」の4種類に分類されます。詳細レポートの問題箇所の行をクリックすると、該当する解説に移動することが可能で、より詳細な情報を入手しやすくなっています。
その他「音声ユーザビリティ」フレームでは画像等の視覚的な情報やレイアウト要素を排除したプレビューが確認でき、また「ロービジョン」フレームでは「視力」「色覚異常」「水晶体透過率」を基にシミュレーション表示が可能です。
評価ツールというと、ボタンひとつですぐ適合不適合の一覧の結果がでるイメージですが、このツールはそうではありません。これはウェブアクセシビリティの検証が、すべて機械的にできるものではないためです。
機械的に判断できる問題箇所の指摘と、人が確認しないと判断できない箇所を指摘する「アドバイザー」的な役割を果たします。例えば画像にalt属性そのものが無いというような明確な問題は「問題あり」と指摘しますが、alt属性があったとしてもその内容が適切かどうかは「人が内容を確認して判断してください」というアドバイスが表示されます。
それに基づいて「人が判断」をし、機械的なチェックとあわせて総合的に達成基準に適合しているかどうかの最終判断を「人」が行う必要があります。


豊かに暮らすために

住宅の設計をしていると、必ずと言っていいほど話題になるのが、収納の話。
建築主にとっては、さまざまな条件のなかで、ストレスになるくらい悩みが多い問題ではないでしょうか。
なにしろ、収納をテーマにした本が、数限りないほどでているわけだから、深刻な問題なのだとも感じます。
以前設計した二つの住宅を改めて見てみると、収納の取り方の違いがはっきりしています。
いずれも、年代は違いますが、3人家族の住宅です。

こちらは延べ面積が40坪ほどの、2階建ての住宅です。

I-HOUSE

I-HOUSE

マンション風に言えば、3LDK+書斎。
その収納は、押し入れにして、6カ所分。
その他に書斎の本棚など、小さな部分もあるので、相当なスペースを占めています。

こちらは、延べ面積が30坪ほどの、平屋建ての住宅です。

つつじが丘の住宅

つつじが丘の住宅

収納(ユーティリティ)として、1カ所にまとめて3畳ほどのスペースをとっています。
日常で使うものは、それぞれの部屋に置いて、そうでない物は全てユーティリティにあるので
使う時にここに行けば必ず物は見つかるし、どこに入れたか忘れることもありません。
個室にはクローゼットも一切収納はなく、気に入った家具を置くという考え方で、部屋に必要以上の物がないため、すっきりと暮らせます。

生活していく上では、収納は当然必要です。
しかし、せっかくお金をかけて住まいをつくっても、必要以上に収納を取って、その他の部屋の居心地が悪くなってしまっては、本末転倒です。

「本当に必要なモノ」は、そんなにあるのでしょうか?
これは、真剣に考える必要があると思います。
せっかくの暮らしが、モノに支配されてしまっては、楽しくありません。

私も含めて、人はモノを持つということに、喜びや幸せを感じます。決して悪いことでもないし、むしろ普通のことですね。
しかし問題は、本当に自分に必要で、愛着が持てるかどうかということではないでしょうか。
愛着が持てれば、それは本当に幸せであるし、大切にしまっておけます。

そうでない物は、いつしか収納の奥に眠って、二度と使われることはなくなってしまう。
いつか「使うかも知れない」、「もったいないから」、「とりあえず」取っておこう。
これは、一見すると物を大切にしているように思えるけれど、ほとんど使わず仕舞いで、その存在すら忘れられています。
こういうものは、きっぱり捨ててしまうか、必要な人にあげるか、売ってしまうに限ります。
物は使われてこそ生きるのですから。

そうすればきっと、ストレスのない快適な暮らしになると思うのですが・・・・。物心ともに豊かに暮らすために。

一読お奨めします。
「捨てる」「片づける」で人生は楽になる PHP文庫
著者は斎藤茂吉の長男、精神科医の齊藤茂太先生です。

 


Webサイトについて

Webサイト

Webサイト

独立したときに、とにかく自分でできることはすべてやってやろうと思って、見よう見まねでWebサイトを立ち上げました。最初はGolive、今はDreamweaverです。
アプリを使えば簡単にできそうですが、そんなに簡単ではなかったですね。
ブラウザによって、レイアウトが崩れたりするので、基本的なタグやCSSは覚えないと無理ですね。現在のサイトは、7代目(Ver7)になります。
最初は、いろんなことを試しましたが、今はできるだけクリック数を少なくして、情報にたどり着けるかという点に特に注意しています。フォントの指定は、小さくても12px指定です。
やたら小さいフォントのサイトがあったりしますが、それでは読見難いです。やはり、見てもらう人にとって、見やすいが一番です。
ユーザーの環境は、OSも違うし、ブラウザも違うので、その点もできる限りチェックしています。(それでもIE6では、まともに見れません。IE8もレイアウトが崩れます)
htmlの文法も、ちょっと勉強しましたが、今はあまりこだわっていません。それ以上に、内容が大切なので、メジャーブラウザで見られれば良しとしています。
興味のある方は、下記サイトで文法チェックができますので試してみてください。
HPの文法チェックは90〜100点。このBlogは-250点です。

W3C
Another HTML-lint